考球筆達 2014: 投手起用を考える Part 3

今年もなんとかかんとかガンバロウ野球大会(春)の一回戦を突破できました!
突破できました?
突破した…んだよね?

何でこんな微妙な言い方になるか、と言うと、こちらを御覧頂ければ納得がいくかとw
とにかく、突破した以上、さらに上を目指してがんばって生きたいと思います!

さてさて。
本日のお品書きはこちら。

  • 少年野球の投手事情
  • 少年野球ヘッドコーチに聞く投手起用
  • 少年野球監督に聞く投手起用
  • 少年野球投手起用からの考察

今回のコラムには、少年野球チーム小中台ウィングスB(小学校五年生)指導者の皆様に御協力いただきました。本コラムを寄稿するにあたり、厚く御礼申し上げます。

 少年野球の投手事情

現在の少年野球はフレッシュリーグ(三年生以下)、教育リーグ(四年生)、Bチーム(五年生)、Aチーム(六年生)の4区分に分かれています。
フレッシュリーグ、教育リーグは5イニング制、Bチーム、Aチームは7イニング制となっています。

そして大事なことは、各リーグとも投手に投球イニング制限があることです。
フレッシュリーグ、教育リーグは一投手あたり3イニング、Bチーム、Aチームは5イニングが最長と定められています。

つまり、仮にどんなにずば抜けたエースがいたとしても完投させる事は出来ないのです。
必ず二人以上の投手をリレーしなくてはいけない。

ここにこれまで考察してきた投手起用を考える意味が出てきます。
エースを一体どのタイミングで使うのか?

また、前回考察した二番手以降の投手で試合を作るならどうするのか?
それを現場の監督、コーチからリポートさせてもらいました。

質問の内容は下記の通りです。

  • 完投できない今、エース投手はいつ起用するのか
  • 球は速いがコントロールに劣る投手と、コントロールに優れるが球威のない投手、起用順は
  • 一試合を組み立てる、とは

少年野球ヘッドコーチに聞く投手起用

まずは監督不在時に指揮官も勤めることのあるヘッドコーチ(格)のOコーチにまずは話を聞いてみました。

―完投できない今、エース投手をどの場面で起用しますか

完投できない以上、どこまでエースを引っ張れるかの勝負になる。先発でギリギリまで投げさせたい。

特に少年野球は5、7イニングと決めていても、時間切れコールドにより試合が最後まで行えないこともある。そうであるならばエースは最初に投げさせたい。

―球は速いがコントロールに劣る投手と、コントロールに優れるが球威のない投手、どの順で起用しますか

こちらにはその球威がある、と言うことを先に見せておきたい。一イニングでも構わないから先に球威のある投手を投げさせておく。

その上で試合を組み立てる為にコントロールのいい投手を起用し、テンポを良くした所で再度球威のある投手を起用したい。

―最後に、コーチにとって試合を組み立てる投手起用とは

その時のメンバー、調子の良い人間を中心に、その時々ベストのメンバーを使っていくこと。ただし、最優先はあくまでも試合を壊さない、と言うことになるだろうか。

少年野球監督に聞く投手起用

次にリサーチさせてもらったのは、監督暦が延べで10年を超えるY監督です。
常時指揮権を持つ監督の立場からすると、投手起用にも影響が出てくるものなのでしょうか。

―完投できない今、エース投手をどの場面で起用しますか

エースと二番手の力量差にも拠る。

基本的にはエースを先発で規定イニングマイナス1イニング投げさせ、二番手でリリーフ、いざと言うときにエースを再登板させられるように準備する。

ただし、エースがエースといえる力量を有さない、若しくは二番手投手も他の学年であったならエースだったかもしれないくらいの力量ならば、二番手を先発で引っ張れるだけ引っ張って、最後にエースを持ってくる。もしタイブレイクになったときに、そのほうが安心だから。

―球は速いがコントロールに劣る投手と、コントロールに優れるが球威のない投手、どの順で起用しますか

間違いなくコントロールに優れる投手を優先する。それこそ引っ張れるだけ引っ張って、まずは試合のリズム、テンポを組み立ててしまう。

如何に球威がないといっても、序盤で早々大量点になるような連打を貰うことはほとんど無いと言える。だからこそ先ず試合を作ってしまう。不思議と試合が作られて、テンポがよくなっているときにコントロールに不安のある投手を持って来ると、打者も手を出してくれるし気持ちよく投げてくれるもの。

逆の起用法にすると、序盤が出たとこ勝負になり過ぎるのと、終盤死に物狂いで当てに来られた時に球威のない投手は連打を喰らい易い。

―最後に、コーチにとって試合を組み立てる投手起用とは

まずは決まったカタチを作ってあげる。投手リレーでも、守備の交代でもそう。こちらが失点をコントロールしてあげるということ。失点を少なくして、攻撃側に何点取れば勝てるんだ、と言う道筋を見せてあげる。

だから序盤で打たれても構わないから、失点のレベルが計算できる投手を先に登板させ、試合の外枠を決めてしまう。

外枠さえ決まってしまえば、そのあとに多少想定外が起こりえる投手が投げても、枠内に収まる事が殆ど。計算できる失点の枠内なら、コントロールできている、試合を組み立てられているといえるはず。

少年野球投手起用からの考察

コーチ、監督で考え方の違いが見て取れましたが、試合をコントロールしたい、試合を壊さないようにしたい、と言うことが最優先のように感じました。

少年野球の投手起用でポイントになるのは、エース投手(前回考察のエース投手とは別儀)と二番手投手の力量差。
これに関しては、この連載で言えば2番手、3番手間の力量差と言い換えることが出来るでしょう。その力量差が大きいほど、2番手を引っ張るのか、若しくはいざと言うときのために余力を残すのかが決まってくるようです。

実際、前回考察で出たように、ほぼ互角の二、三番手をどうやってリレーするのか、で考えると、いざと言うときの為に余力(スタミナ、イニング的な意味合いで)を残して交代させるのではなく、極力引っ張ってリリーフを仰ぐ、と言う形が多くなるのではないでしょうか。

また、前回考察で出た球威のあるコントロール不足と、球威不足のコントロール派、どちらを先発させるか、と言うところも、コーチ、監督で意見が分かれていました。
しかしながらお互い、試合を組み立てることを最優先した場合、コントロールを優先する、と応えていますので、基本はそちらが優先されると考えるべきですが、前出のY監督のエースの起用法から考えると、Oコーチの意見はある意味、理想形なのかもしれません。

さて、実際にどうしてもリリーフが必要な現場に意見を聞いた今回。
草野球とは別の視点ではありますが、考察に必要な材料は十分にあったように感じます。

一ヶ月超にわたって連載させていただいた今回の「投手起用を考える」も次回で最終回。
考察を踏まえ、実際に投手を起用する時のメリットデメリットを考察し、このコラムなりの回答を導いてみたいと思います。

次回構成予定

  • 速球投手先発→コントロール投手リリーフのメリットデメリット
  • コントロール投手先発→速球投手リリーフのメリットデメリット
  • 速球、コントロール、先発向き、リリーフ向き、なにを優先すべきか
  • 上記を踏まえた起用法、準備のさせ方
  • 終章

※本コラム「考球筆達」では、皆様の御意見、御感想をお待ちしております。もし読んでみて興味をもたれた方は、コメント欄に投稿いただけたら筆者が喜びます。
また、取上げて欲しい話題、議論したい、すべきだと思う話題も募集していますので、こちらもコメント欄に投稿してください。

それではまた次回!

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